2022年 会報

News Letter Vol.13 June 2022

RIMOエッセイ

ビジネススクールにおけるアカデミア(学術業界)の役割

RBSに着任して、1年が経過しました。初めて担当する授業準備をしながら、
1)3つの学会の評議員・幹事・委員業務を遂行し、
2)2つの学会の統一論題で発表し、
3)1本の統一論題の論文を執筆し、
4)ケース教材を1本開発し、
5)2冊の教科書を出版し、
6)新たに2冊の教科書を執筆し(教科書はいずれも共著)、
7)中小企業庁の中小PMIガイドラインの策定に委員としてかかわってきたことなどを考えると、初年度にしては「御の字」の成果なのでは?と勝手に満足しています。

ビジネススクールには、学術的バックグラウンドを持った教員と、実務のバックグラウンドを持った教員がいます。前者は(アカデミア出身の)アカデミクス(academics)、後者はプラクティショナー(practitioner)と呼ばれています。私は前者です。アカデミアの発言は、実業界で「学者の戯言」と言われることもあります。

しかし、ビジネススクールにおいてアカデミアの存在意義があります。それは、学術的体系に基づいて理論を俯瞰したり、議論を論理的に展開させたり、理論的フレームワークのメリット・デメリットを踏まえた上で「如何に使い倒すのか」を考える機会を提供したりするためです。

多角化戦略の議論で説明されるプロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの例で考えてみましょう。縦軸は「市場成長率」を表していますが、この値は自明ですか? ある人は10%、別の人は3%と判断するかもしれません。成長が期待されていたのに、いつまでたっても市場が成長しないこともあります。また、「負け犬」に位置づけられた事業は、一般的に、事業の撤退か売却が定説です。しかし、富士フィルムの製品「チェキ」は、長い間「負け犬」事業でしたが、ヒット商品に返り咲きました。これらをどう解釈するのか?このような視点からティーチングを行うのがアカデミアの役割です。

ということで、修了生の皆さんに、ビジネススクールにおけるアカデミアの役割を理解していただけたでしょうか? 私はこのようなスタンスで、RBSを発展させていきたいと思っています。

水野由香里 教授

今西さま講演内容 要旨

はじめに

4期 今西頼久さま

皆さんは、何を求めて立命館MBAの門を叩かれましたか?
それぞれのキャリアやそれぞれの視点と決断があったと思います。私はというと天命でした。

私は祖父の代から起業家の家系であり、天皇陛下に4回も拝謁した超偉大な父の下に生まれました。しかし、それは反骨でも後悔でもなく、むしろ素晴らしい環境を頂いたと感謝しております。立命館MBA入学もその関係でした。

当社と私に関して

祖父の時代には法人化している会社は少なかったのですが、祖父の起業から数えると100年以上、父が創業した今西土地建物でもうすぐ70年となります。
時代ごとに事業をピボットしていき、現在は2025年に竣工する大阪を代表する再開発ビル等オフィスビルの運用、不動産仲介、戦略不動産コンサルティングを行いトラックレコードを積み上げております。
トラックレコードの事例については当社サイト(https://www.imanishi-g.com/)にございます。クライアントは上場法人~国内外ファンド~中小企業~個人不動産オーナーまで幅広くフォローしております。

海外事業ではフランス/パリに於いてMaison Wa(https://maisonwa.com/)というシェアリング型マーケティングショールームの運用及びアウトバウンドマーケティング支援事業を行っております。

立命館MBA修了前、修了後

立命館MBAにお世話になる前は、それなりに事業を展開しておりました。しかし、学びを深めるにつれ一層の可能性を感じることができました。

その結果の一つが、不動産への理解です。ゼミの担当教授でありました鳥山先生には論文の提出1週間前まで議論に付き合って頂き、自身としても納得ができ、そして息子達に残せる論文になったかと思います。

そしてもう一つが海外事業へのチャレンジです。上記にあるフランスの事業もそうですが、他にミャンマーや台湾での開発プロジェクトに民間パートナーとして参加し、一定の成果を残しております。これは杉山先生や安藤先生のマーケティング~戦略~オペレーションに落とし込んでおります。

さいごに

皆さん、MBAは学びだけでなく、そのネットワークが財産の一つです。コロナも明けて参りました。ぜひ、自身の出身ゼミもそうですし、同期のネットワーク、そして新進気鋭の後輩が書いた論文の発表会、そして謝恩会にも顔を出して旧交を温め、後輩に背中を見せ、旨い酒を奢り、そして自身に鞭打つべく定点観測を行ってください。
共に成長を!

経営管理研究科4期 今西頼久

編集後記

会報は一部編集中となります(RIMO広報)

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